ポイントは「前月の給与」と「扶養の人数」
ボーナスから引かれる所得税は、国税庁の「賞与に対する源泉徴収税額の算出率の表」で決まります。使うのは次の2つの情報です。
- 前月の給与:ボーナスをもらう前の月の給与から、健康保険・厚生年金・雇用保険などの社会保険料を引いた金額。通勤手当など非課税のものは入れません。
- 扶養親族等の数:年末調整の「扶養控除等申告書」に書いた人数(源泉控除対象配偶者を含みます)。
この2つで表から税率を選び、「ボーナス − 社会保険料」に掛けます。ボーナスの金額そのものでは税率は決まらない、というのが大事なところです。
計算例:ボーナス50万円・扶養2人
計算ツールは、ボーナス50万円、前月の給与30万円、扶養2人、39歳以下、東京都で入力してあります。
- 社会保険料の合計:73,450円(健康保険24,625円・支援金575円・厚生年金45,750円・雇用保険2,500円)
- 税率を探す:扶養2人の列で、前月の給与300千円は「276千円以上321千円未満」の行にあたり、4.084%
- 所得税:(500,000円 − 73,450円)× 4.084% = 17,420円(1円未満切り捨て)
- 手取り:409,130円
同じ条件で扶養0人なら税率は6.126%、所得税は26,130円です。扶養が2人いるだけで、ボーナスの所得税が8,710円少なくなります。一方で、下の表のように扶養1人では税率が変わらないこともあります。表の区切りの位置によるもので、計算ミスではありません。
扶養の人数・区分による違い(ボーナス50万円・前月の給与30万円)
| 区分 | 税率 | 源泉所得税 | 手取り |
|---|---|---|---|
| 甲欄・扶養0人 | 6.126% | 26,130円 | 400,420円 |
| 甲欄・扶養1人 | 6.126% | 26,130円 | 400,420円 |
| 甲欄・扶養2人 | 4.084% | 17,420円 | 409,130円 |
| 甲欄・扶養3人 | 4.084% | 17,420円 | 409,130円 |
| 甲欄・扶養4人 | 4.084% | 17,420円 | 409,130円 |
| 乙欄(副業先など) | 30.630% | 130,652円 | 295,898円 |
乙欄(副業先など)は税率が高めです
扶養控除等申告書を出していない会社(2か所目の勤務先など)からのボーナスは乙欄で計算します。乙欄は扶養の人数を使わず、税率も高めです。前月の給与30万円なら30.630%となり、50万円のボーナスで所得税は130,652円になります。ただし、これは仮の金額です。確定申告をすれば、1年分の正しい税額との差額が戻ってきます。
特別な計算になる2つのケース
- 前月に給与がない場合(入社直後など)
- 社会保険料を引いたボーナスが前月の給与の10倍を超える場合
このときは算出率の表ではなく、月額表を使った別の計算になります。計算ツールでは注意のメッセージが出ますので、会社の担当者に確認してみてください。
年末調整で精算されます
ボーナスの所得税は、あくまで「仮払い」です。12月の年末調整で1年分の正しい税額が計算され、払いすぎていれば戻り、足りなければ追加で引かれます。ボーナスの税金が多く感じても、年末調整で整うことが多いので安心してください。
FAQ
ボーナス50万円・扶養2人の所得税はいくらですか?
前月の給与30万円なら税率4.084%で、(500,000円 − 73,450円)× 4.084% = 17,420円です。手取りは約409,130円になります(東京都・39歳以下)。
ボーナスの所得税の「前月の給与」とは何ですか?
ボーナスの前の月の給与の総支給額から、健康保険・厚生年金・雇用保険などの社会保険料を引いた金額です。通勤手当などの非課税分は含めません。
副業先からのボーナスは所得税が高いのですか?
扶養控除等申告書を出していない会社では乙欄で計算するため高めです。前月の給与30万円なら30.630%で、50万円のボーナスの所得税は130,652円です。確定申告で精算されます。
出典(2026年11月5日確認):国税庁「令和8年分 源泉徴収税額表」賞与に対する源泉徴収税額の算出率の表(nta.go.jp/publication/pamph/gensen/zeigakuhyo2026/)、全国健康保険協会「令和8年度都道府県単位保険料率」(介護保険料率1.62%・子ども・子育て支援金率0.23%)、厚生労働省 山形労働局「令和8年度の雇用保険料率」(一般の事業 労働者5/1000)。厚生年金18.3%・標準賞与額上限150万円、健康保険の年度上限573万円は健康保険法・厚生年金保険法による。