住宅ローンの繰上返済
繰上返済は期間短縮と返済額軽減どっちが得?
繰上返済には、毎月の額はそのままで期間を縮める期間短縮型と、期間はそのままで毎月の額を下げる返済額軽減型があります。減る利息が多いのは期間短縮型ですが、家計の余裕を優先したい時期は軽減型が向いていることも。数字で比べてみましょう。
更新日:2026年11月5日 / 2026年11月1日現在の公表金利で計算
期間短縮型−45.4万円5年後に100万円
返済額軽減型−20.4万円月3,344円減
短縮される期間1年4か月期間短縮型
例の借入3,000万円変動1.275%・35年
繰上返済シミュレーション
金利は全期間一定、繰上返済手数料なしとして計算しています。
2つの繰上返済のちがい
- 期間短縮型:毎月の返済額はそのままで、返済期間を短くします。減る利息が大きいのが特長です。
- 返済額軽減型:返済期間はそのままで、毎月の返済額を下げます。教育費がかかる時期など、家計に余裕を作りたいときに向いています。
例:3,000万円・変動1.275%・35年(毎月88,585円)で、5年後(残高約2,648.9万円)に100万円を繰上返済した場合です。
| 期間短縮型 | 返済額軽減型 |
|---|
| 減る利息 | 45.4万円 | 20.4万円 |
| 毎月の返済 | 88,585円 | 85,241円 |
| 完済までの期間 | 1年4か月短縮 | 35年のまま |
時期と金額で比べる(3,000万円・35年)
| 繰上返済 | 期間短縮型で減る利息 | 軽減型で減る利息 |
|---|
| 1年後に100万円 | 52.9万円1年5か月短縮 | 23.3万円月3,022円減 |
| 5年後に100万円 | 45.4万円1年4か月短縮 | 20.4万円月3,344円減 |
| 10年後に100万円 | 36.5万円1年3か月短縮 | 16.8万円月3,895円減 |
| 5年後に300万円 | 128.7万円4年0か月短縮 | 61.2万円月10,033円減 |
| 15年後に100万円 | 28.1万円1年2か月短縮 | 13.3万円月4,723円減 |
同じ100万円でも、早いほど効果は大きくなります。ただし手元の貯金をすべて繰上返済に回すと、病気や失業のときに困ってしまいます。生活費の半年分程度は残しておくのがおすすめです。
繰上返済の前に確認したいこと
- 手数料:ネット経由なら無料の金融機関が多い一方、窓口や固定期間中は手数料がかかることがあります。
- 住宅ローン控除:控除期間中は「金利と0.7%」を比べて判断します。期間短縮で借入期間が10年未満になると控除の対象外です。
- 金利タイプ:変動金利が上がる局面では、残高を減らしておくことが金利上昇への備えになります(変動金利の上昇リスク)。
- 団信:残高を減らしても団体信用生命保険の保障は残高分に縮みます。
出典・計算の前提
- 日本銀行「金融市場調節方針の変更について」(2026年9月18日):無担保コールレート(オーバーナイト物)を1.25%程度で推移するよう促す(9月24日から)。2026年10月29・30日の金融政策決定会合で据え置き
- 住宅金融支援機構「【フラット35】金利情報」:2026年11月の借入金利(返済期間21〜35年・融資率9割以下・新機構団信付き)取扱金融機関の最低金利 年3.81%(前月3.83%)。同「借入対象となる住宅及び条件」:総返済負担率の基準(年収400万円未満30%以下、400万円以上35%以下)
- みずほ銀行「住宅ローン 金利」(2026年11月1日現在):変動金利 年1.275%〜(2027年3月31日までの借入は2027年7月返済分から年1.525%〜)、固定金利選択型10年 年3.40%〜
- 三菱UFJ銀行「住宅ローン金利」(2026年11月1日現在):変動金利 年1.195%(店頭表示金利 年3.375%から年2.18%引下げ)、固定10年 年3.89%〜、全期間固定31〜35年 年4.50%。同行「変動金利の基準金利見直しについて」:2026年12月1日から見直し
- 三井住友銀行(WEB申込専用住宅ローン)変動金利 年1.525%(2026年11月1日現在。価格.com「住宅ローン金利比較」の同日付一覧でも確認)
- 計算式:元利均等返済 毎月返済額=借入額×月利×(1+月利)回数÷{(1+月利)回数−1}(月利=年利÷12)。金融機関の端数処理により実際の返済額は数円〜数十円異なります(2026年11月5日確認)
よくある質問
繰上返済は期間短縮型と返済額軽減型どっちが得?
減る利息は期間短縮型の方が多くなります。3,000万円(変動1.275%・35年)を借りて5年後に100万円繰上返済すると、期間短縮型は利息が約45.4万円減り、返済期間が1年4か月短くなります。返済額軽減型は毎月3,344円下がり、利息は約20.4万円減ります。
繰上返済は早いほど得ですか?
はい。残高が多い時期ほど利息が多くかかっているため、同じ100万円でも早く返すほど減る利息は大きくなります。上の例では、1年後なら期間短縮型で約52.9万円、15年後なら約28.1万円です。
住宅ローン控除中に繰上返済すると損ですか?
控除は年末残高×0.7%なので、金利が0.7%より低いローンを控除期間中に繰上返済すると、減る利息より減る控除の方が大きくなることがあります。2026年11月時点の変動金利(1.195%・1.275%・1.525%)は0.7%を上回るため、以前より繰上返済のメリットは出やすくなっています。期間短縮で返済期間が10年未満になると控除自体が受けられなくなる点にも注意してください。