相続税ガイド
配偶者の税額軽減:1億6,000万円まで非課税の仕組みと二次相続
配偶者が相続した財産は、1億6,000万円か法定相続分のどちらか多い金額まで相続税がかかりません。遺産2億円を配偶者がすべて相続すれば一次相続の税金は5,400,000円ですが、配偶者が亡くなったときの二次相続で子2人に33,400,000円かかります。トータルで考えることが大切です。
更新日:2026年11月5日 / 2026年11月時点の相続税法・租税特別措置法(国税庁タックスアンサー)で計算
非課税の上限1億6,000万円または法定相続分
条件申告が必要期限内の分割
2億円・全部配偶者5,400,000円一次相続
二次相続33,400,000円子2人・固有財産0
配偶者の取得割合を変えて計算(遺産2億円・配偶者が全部相続で入力済み)
預貯金・不動産(評価額)・株式などの合計から借入金・葬式費用を引いた額
相続人が受け取る分。500万円×法定相続人は非課税
相続人はすべて成年(未成年者控除・障害者控除なし)、養子・代襲相続なし、遺産額は債務・葬式費用を差し引いた後の正味の課税価格として計算しています。小規模宅地等の特例など土地の評価減は、適用後の金額を入力してください。
配偶者の税額軽減の計算方法
配偶者の納める相続税は、相続税の総額を按分した額から次の軽減額を差し引いて計算します。
軽減額=相続税の総額×(「1億6,000万円と配偶者の法定相続分相当額のいずれか多い額」と「配偶者が実際に取得した額」の少ない方)÷課税価格の合計
つまり配偶者の取得額が1億6,000万円以下なら、配偶者の相続税は0円です。遺産4億円を配偶者がすべて相続した場合、法定相続分(1/2)は2億円なので2億円までは非課税、残る2億円分には課税され、配偶者の相続税は46,100,000円になります。
- 申告が必要:税額が0円になる場合でも相続税の申告書を提出します。
- 遺産分割が条件:申告期限(10か月)までに分割されていない財産は対象外。分割見込書を出して3年以内に分ければ適用できます。
- 婚姻期間は不問:結婚1年でも適用されますが、内縁の配偶者は対象外です。
遺産2億円:配偶者が全部相続 vs 法定相続分(二次相続まで)
| 分け方 | 一次相続 | 二次相続(子2人) | 合計 |
|---|
| 配偶者が全部配偶者の取得20,000万円 | 5,400,000円 | 33,400,000円 | 38,800,000円 |
| 法定相続分(1/2)配偶者の取得10,000万円 | 13,500,000円 | 7,700,000円 | 21,200,000円 |
配偶者がすべて相続すると一次相続は0円ですが、二次相続では配偶者の税額軽減がなく基礎控除も4,200万円に減るため、合計では法定相続分で分けるより17,600,000円多くなります(配偶者の固有財産0円、財産額が変わらない前提)。配偶者自身の財産が多い場合は、さらに差が広がります。
出典・参考資料
- 国税庁 タックスアンサー「No.4152 相続税の計算」:基礎控除3,000万円+600万円×法定相続人の数、法定相続分で按分して税率を適用する計算方法
- 国税庁「No.4155 相続税の税率」(速算表 10%〜55%)・「No.4158 配偶者の税額の軽減」(1億6,000万円または法定相続分相当額のいずれか多い金額まで)・「No.4114 相続税がかかる財産」(死亡保険金の非課税 500万円×法定相続人の数)・「No.4157 相続税額の2割加算」
- 国税庁「No.4408 贈与税の計算と税率(暦年課税)」(基礎控除110万円、一般税率・特例税率の速算表)・「No.4161 贈与財産の加算と税額控除(暦年課税)」(加算期間7年への段階的延長、延長4年分は総額100万円を控除)・「No.4103 相続時精算課税の選択」(2024年1月以後の贈与から基礎控除110万円、特別控除2,500万円、税率20%)
- 財務省「令和5年度税制改正」(資産移転の時期の選択により中立的な税制の構築:生前贈与加算7年・精算課税の110万円基礎控除)、「令和8年度税制改正の大綱」(2025年12月:貸付用不動産・不動産小口化商品の評価の見直し=2027年1月1日以後の相続・贈与から適用予定)。第二の確認:日本税理士会連合会・大手金融機関の改正解説(2026年11月5日確認)
よくある質問
配偶者の税額軽減で相続税が0円になる上限は?
配偶者が実際に取得した財産が「1億6,000万円」または「法定相続分相当額」のどちらか多い金額までなら、配偶者の相続税は0円です。
遺産2億円を配偶者がすべて相続した場合の相続税は?
一次相続の相続税は5,400,000円です。ただし配偶者が亡くなったときの二次相続(子2人・財産2億円のまま)で33,400,000円かかり、合計38,800,000円です。法定相続分で分けた場合の合計は21,200,000円です。
税額が0円でも申告は必要ですか?
はい。配偶者の税額軽減は申告することで適用される制度なので、相続税が0円になる場合でも期限内(10か月以内)に申告書を提出する必要があります。